【トークセッションレポート①】テーマ「不登校」2025年7月15日 @男女共同参画センターえーる会議室にて

官と民が出会う場所で、「子どもたちのこれから」を語る時間

先日、こまねりと練馬区とでタッグを組んで行う事業「ねりま協働ラボ」の始めの一歩、官民連携のトークセッション第一回目が開催されました。テーマは「不登校」。

参加された方は、こまねりの登録団体と練馬区の職員併せて53名。(こまねりと練馬区との協働事業「ねりま協働ラボ」の一年目。地域団体と行政がそれぞれのテーマに沿って、各々の視点から語り合うトークセッションを七回開催予定。その初回が今回の「不登校」)

行政職員や支援者、そして当事者である保護者それぞれの立場から、今感じていることや課題、これからへの願いを語り合いました。

▼登壇者

トークセッションは、まず登壇者それぞれが、日々どのような活動を行っているのか、自己紹介と現場の実情を共有するところから始まりました。

不登校の子どもたちを支える立場は様々でも、「子どもたちの安心できる場所をどうつくるか」「親や子どもに情報をどう届けるか」など、共通の課題が浮かび上がりました。

子どもが「なんとなく過ごせた」と言える居場所を

どの支援者からも共通して出てきたキーワードは「不安」でした。不登校の子どもたちはもちろん、保護者、支援者たちも、みな「この子はこのままで大丈夫なんだろうか?」という不安を抱えています。

でも、何か大きなことを成し遂げるよりも、「今日はなんとなく過ごせた」「ちょっと笑えた」「誰かとゲームできた」そんな小さな一歩の積み重ねこそが、子どもたちの「安心」と「自信」につながるのではないかという気づきが、たくさん語られました。

たてまつさん(居場所運営、不登校児保護者)からは、「不登校の2年は、当事者にとっては長い方ではない」という言葉が印象的でした。
「数ヶ月で学校に戻るのはむしろ珍しい。35年という子も多い。学校に戻ることが全てではないけれど、社会とつながる一歩として学校があるなら、焦らず支えてほしい」「学校に戻る事が是ではないとはいえ、保護者としては、小学校で不登校なら中学校からは、中学校から不登校なら高校からでも大学からでも通えたらいいと思っている。だからこそ、保護者も支援者も長い目で見守ってほしい。

子どもたちは“場所”よりも“人”に会いに来る

支援の現場で大切にされているのは、活動のプログラムよりも、子どもたちが「安心して過ごせる人」に出会えること。

佐藤さん(教員・居場所運営者)はこう語ります:
学校に行っているかどうかで、子ども自身に大きな違いがあるわけじゃない。不登校の子に不安が強いのは確かだけど、登校してる子も同じように対人関係で悩んでいる。不登校だから特別というより、行っても行かなくても、基本的には同じという感覚が大事

山本さん(SSW・ふとうこうカフェ)はこう述べました:
「不登校カフェには、元不登校の大人が話し手として参加する。不登校の子や保護者がこんなふうに生きられるんだと思えるモデルを示せたら。不安の渦中にいる人にこそ、そういったリアルな実感のこもった語りが届くと信じている」

情報が届かない、つながれない…その“間”をどう埋める?

現場の共通の課題は、「必要な人に、必要な情報が届かない」こと。
ホームページやチラシ、ネット情報などがあっても、必要な時期に必要な情報が届いていないことがあります。
たてまつさんからは、プレーパークで親や子が繋がれるのでは?という提案も紹介されました:
「こどもの森(常設プレーパーク)は不登校の親には、とてもありがたい存在。でも未就学児しかいない、小学生以上が誰もいない午前中に行くとうちの子はつまらなかったようだ。不登校の子が午前中から来られる居場所だと、もっと周知されていればいい。川崎の『夢パーク』のように、午前中から来ていいよって公に言ってくれると助かる」
「プレイパークは、野外なので広く、親が保護者同士で話しやすい場でもある(室内では、子どもと一緒に親の会をやりづらい事もある)プレイパークなら子ども達同士やプレリーダーと遊んでる間に親の会等をやるといいのでは?」

また佐藤さんから、「本当は、不登校になる前の親に不登校になってもこういった場があるから大丈夫」と学校側が発信してくれたらいいという提案があったが、アンケートにも「そうしてくれたら、良かった」という回答があり、実際に不登校になる以前から情報を知っているのは、子どもも親も安心材料になるのではないかと感じました。

民と官がつながることで、支援の質が高まる

Mさん(区職員)はこう語りました:
SSWとして、子どもにここ行ってみたら?紹介するには、まず自分たちがその場所を知る必要がある。雰囲気や特色も現場に行って体感したい。不登校の子が元気になっていく姿を見るのは、本当に嬉しい。なので、民間のさまざまな居場所をもっと知りたいと思った

Tさん(区職員)も共感を示しました:
「小学生の時は地域の居場所に通っていて、中学生になってからトライに来る子もいる。子ども自身がここが楽しい”“ここなら安心できる””ここでなら学んでいける”と感じる場所を、家庭で選べるようになってほしい」

Aさん(区職員)からは行政側の立場として:
「支援内容がデリケートなものあり、行政の立場としては、情報管理ということもありますので、情報連携が難しい場面もあるということをご理解いただきながら、今後、事業協力できるといいのかなぁと思います。


私たち大人が、“子どもの未来に希望を届けられる存在”であるために

鈴木さん(ファシリテーター)も振り返ります:
「今回は、官と民がどう協力できるかというより、まずお互いを知る機会として場を開いた。制度が子どもを守る一方で、時には壁にもなる。そんな中で、今後、できることでつながり合い、やれることを見つけていきたい

こまねりと行政がタッグを組み、三年間協働していく「ねりま協働ラボ」の一年目の始めの一歩。

実りある、トークセッションで良い一歩を踏み出せたのではないかとスタッフ一同、にこにこ笑顔で後片付けをしました。
次回は、8月後半に「学習支援」をテーマにまた地域団体と行政の代表が登壇します。
今度は、どんな感じになるのか?!なかなか、出会う事のないタッグとなりそうです。
こちらでまた開催後、報告をいたします。お楽しみに♪