官と民が出会う場所で、「子どもたちのこれから」を語る時間
こまねりと練馬区とでタッグを組んで行う事業「ねりま協働ラボ」の始めの一歩、官民連携のトークセッション第二回目が開催されました。テーマは「学習支援」。
今回のトークセッションには、小学校教員、NPOスタッフ、学習支援団体の関係者などが集まりました。参加者は、民間団体28名、行政17名の合計45名。「学び」の本質や学校・地域の役割について熱く語られる時間となりました。
◾️ファシリテーター
- はじまりの場所 市橋さん
◾️登壇者
最初にそれぞれの登壇者の自己紹介からのスタート。
その後、ファシリテーターの市橋さんの提案により、学校での定義と地域活動での定義それぞれの立場からの学習支援とは何か?を語りました。
学習支援とは人としての成長を支えるモノ
小学校教員のFさんは、
「社会のあり方と学校のあり方がマッチしていないのでは?先生たちは一斉指導で規律を重んじていて、きつきつな生活を子どもは強いられてないかなと日々の現場からも親としても感じる。学習が「きついもの」になり、本来の楽しさが失われているのではないか?学習支援とは、子ども達が自分で学びを楽しめる環境をつくることだと思います。」
NPOスタッフの千屋さんは、
「学習支援とは、生きる上での基礎を作ることだと思います。そして、学習は一人一人が持っている権利であり、家庭、地域、障害に差がなく平等に機会を与えられるもの。
活動を通じて見えてきた課題として、学ぶことは子どもの権利。不登校や家庭の経済的な事情でその権利が制限されてしまうことがあるが、私たちの役割は、その機会を補い続ける事」と強調しました。
学習支援団体の岩井さんからは印象的な言葉が。
「学びは“フィードバック”だと思います。フィードバックとは何かというと、「できた」という達成感だったりとか、褒めてもらえる等。モチベーションや、悔しかったり、何らかの心の動きがある、それが繰り返されることが学習だと思います」
立場は違っても、「学習支援は勉強を教えること以上に、人としての成長を支えるもの」という点で一致していました。
「学び」の本質とは何か?
議論はさらに深まり、「学びの本質」へ。
教員のYさんは、
「教育基本法の中では、人格の完成と良く言われています。学ぶことで自分を好きになってもらいたいと私は思う。学ぶことで自己否定になる事は、違うと思うし、苦しくなる。ありのままの自分を好きになるために私たちは学んでいると、いつも言っていきたいと思っているし、実際に言っています」と語り、会場でも大きなうなづきが起きました。
学習支援団体の岩井さんは、
「内省を一人で繰り返していると、自己否定につながりかねない。けれど、それを誰かと一緒にやると、必ずコミュニケーションが生まれる。そこで「自分はこう思う」「こうじゃない」という感情が出てきたり、状況を把握して言語化することが大事。子どもは大人へと変化していく存在であり、その変化の要因や方向転換の瞬間こそが学びの深まりだと思う」と語りました。
さらに教員のFさんは、
「その変わる瞬間というのは、人との出会いだと思う。直接的な出会いかもしれないし、YouTubeとかかもしれない。僕らは5人の平均でできていると言われることがある。だからこそ、子どもたちが多様な大人と出会う機会をつくることが大事だと思うし、自分は、それをやっていきたい」という印象的な言葉もありました。
学校と地域がつながることで広がる可能性
後半では、「学校と地域の連携」について意見が交わされました。
教員のYさんは、
「地域と学校でできる事の一つに学校の中でたくさんのコミュニティができるといいなと思っています。具体的に言うとクラブみたいな、放課後に編み物が得意な人が近所にいて編み物クラブができるとか、読書好きな人とのブッククラブとか、学校を拠点として起こってくるといいなと思います。そうすることで、得意を持った大人とつながって、子どもが新しい世界を知ることができるのでは」
と提案しました。
続いて、教員のFさんも
「学びと祭りをしたい!体育館で講演会をやってもらったり、学校に泊まってみたり、一緒にやったことないことをする。キャンプをやってみたり、場所のパワーが学校にはあるので、存分に使ってもらって、学校がラーニングコモンズになるといいと思う。学校は学びの拠点でもあるけれど、地域にも多様な居場所がある。無理に住み分けるより、学校をコミュニティとして開き、地域とつながることが大切なのでは?」と投げかけた。
NPOスタッフの千屋さんは、
高校時代に教員を目指し、大学では無料塾の活動をしてきた。教員側の視点を学ぶうちに、学校の大変さや限界も感じた。そこで、「学校と同じことを学校以外のところでもできるのではないか」と思った。全部を完全にやるのは無理でも、厳密に言うと住み分けになってしまうかもしれないけれど、「学校と同じことをやるところが学校以外にないから、学校に行くしか選択肢がないのかな」と考えるようになった。
不登校の子がいても「学校に行かなくてもいい」と思う一方で、行かない場合の選択肢がないことが問題だと思う。だから学習支援は大事だし、NPOが学校と同じことをやるのも意味があると思う。
また、学校で何かをやるなら「人との出会い」が大切で、場所やルール、中心になる人が必要。教員が調整役になると、かえって負担を増やしてしまう恐れがあるので、役割分担を明確にし、NPOと学校が協力しやすい仕組みを整える必要があるのではと具体的な問題も提案しました。
最後に、ファシリテーターの市橋さんが
「学習支援をきっかけに議論が広がり、学びとは人との出会いであるという共通の見解に至ったと思います。学校の中で何ができるかを深く話し合うことができ、今後は部会などをつくり小さな取り組みを積み重ねて広げていけたら良いのではないかと思います。
子どもたちが多くの人と出会い、経験を重ねて成長できるよう、地域全体で見守っていくことが理想であり、そのためには保護者や先生に限らず、立場を超えて関わり合うことが大切だと感じました。保護者、先生という立場以外で、こういった形で話す機会はあまりないので、本日は、貴重な時間をありがとうございました。今日のように様々な人が集まって話し合う場自体が大きな意味を持っているのではないか」と総括してくださいました。
学習指導要領や教員の働き方、不登校など現実的な問題は、山積してるかもしれないが、学校と地域がつながり合うことで、子どもたちの学びをより豊かにできることは、確かだ。——そんな希望が語られた有意義な時間となりました。
回を増すごとに行政と民間団体ががっつりと膝をつき合わせて語る、このトークセッションの意義が鮮明になるように感じました。
第三回のテーマは、「あそび」。児童館とプレイパーク。行政と民間。中と外と対照的ではありましたが、こちらもとても有意義なセッションでした。
トークセッション自体は、9/8(月)に終了しています。近々、こちらでもレポを公開いたします!
次回のトークセッションは、第4回10/4(土)テーマは、「発達支援」です。
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